留年体験談「北海道を遊びすぎた男③」
こんにちは、リビルディングラボのじゃんぼです。
(またしても使いまわしです)
今日は北海道を遊びすぎた男、最終第3回をお伝えしたいと思います。
北大に入ったものの、授業にはあまり行かずに、部活に旅行に、北海道を楽しんでいたシライ君
1年生の前期では10単位も取れずに、後期でも頑張ろうとするも、おしくも数単位足りずに留年してしまいました。
第1回では彼の留年経緯について聞いてみました。
第2回の今回は留年をして感じたことや、彼の中高時代の事を聞かせてもらいました。
キュウリの話、めちゃくちゃ面白かったです。
そして、ついに最終回!!
今回お伝えしたかった就活の話にやっと入れます。長らくお待たせしました。
(顔出しNGのシライ君)
留年して変わった事
じゃんぼ(以下略):留年して、何か考え方とか変わったことはある?
シライ君(以下略)「自分は割と楽観的な性格だと思うんですが、もっと頑張れば留年してなかったのではとか、留年しなければもっと明るい生活ができたのでは、みたいなことは思ってました。でも、留年したことは誰が否定するでも、認めてくれるでもないことないことだと感じたので、自分一人だけでも自分の留年を認めてやろうと考えました。それからあとは留年したことが、何かしら自分にとってプラスになったと考えるようになったり、そう思えるような行動を心掛けるようになりました」
1年余分にあるんだから、それを活かそうみたいにポジティブに思ったんだね。
「そうですね。もともとネガティブな性格なところもあったので、そこも含めて変えていこうと思いました。ネガティブに落ち込むよりは、ポジティブになろうと思えたのは良かったです」
具体的には行動が変わったりした?
「留年の原因の大きなものとして、生活リズムの乱れがあったので、それを直したくて、休学している期間でフルタイムで働いたというのはありますね。強制的に朝起きないといけないので、そこから朝起きられるようになっていきました。行動として変わったのはそれくらいですかね。物事の捉え方は明るくするようになりました。あとはあまり小さな事には動揺しなくなりましたね。留年は僕の人生の中では大きなハイライトになっているので、それに比べると車運転しててポールにぶつけてしまったとかは、まあまあまあって感じになりましたね(笑)」
そうなんだ(笑)今まではそんなに大きな失敗とか挫折ってなかったのかな。
「そうですね。そもそもあまり大きなチャレンジをしたりとかなかったので挫折のしようもなかったんですが、失敗とかもあまりなかったかもしれないです。現役で大学にも入っていたので人生の停滞!みたいなのは初めてで衝撃は大きかったです。留年して、ここで乱れちゃうとそのままズルズル行きそうだというのはあったので、持ち直そうとは思いましたね。色々見つめなおすキッカケになりましたね」
そうしたら、留年したあとは大学には順調に行けたんだ
「そうですね。必要な単位が少なかったのもありますが、部活もオリエンテーリング部一本にしたり、バイトもしたり、バランスのとれた生活を送れるようになりましたね。夏休みはお金を貯めて旅行にも何回か行ったり充実してました」
そっかそっか、留年はしてしまったけど、落ち込んで自堕落になるとかではなく、充実した大学生活を送れてたんだね
「あまり自分から何かしよう、ってことは少ないんですが、声かけてもらったりしたら行こうかなってなることは多かったです。そういう人が周りにいて連れ出してもらえたのは恵まれてましたね。もしそれがなかったら、ふさぎ込んで家にずっといた可能性はありますね」
なるほど、サークルや部活に入ってたのは大きかったね。
やっぱり大学は留年生に冷たい
それじゃあ時間を進めて、2年生にあがるころの話を聞いてみたいんだけど、2回目の1年生の後期は休学してフルタイムで働いて、次の春から文学部の2年生になったんだよね?
「そうですね。復学には手続きが必要だったんですけど、休学申請をした時も、来期から復学予定である事を伝えてたはずですし、復学書類をくださいということで封筒が送られてきたんです。そこには復学願だけが入っていると思ったら、なんと退学届も入っていて。あ、ここでそういう2択が迫られるんだ、と思いましたね(笑)」
復学したいと言ってるのに、退学願まで届くのはちょっとひどいね。お前は大学に必要ないって言われてる気もするもんね。
「ホントに、留年した時の説明会もそうですけど、大学側は常に冷たいんだなという印象を持ってしまいましたね」
そうだよね、そこは俺もこういう団体やってるものとして大学に訴えていきたいね。
話を戻して、2年生になり、文学部になってからは授業とかはちゃんと通った?
「文学部になっても自分の興味のある授業はちゃんと行ったんですけど、まったく興味がないのに取らなければいけない単位も多くて、それは4年生まで残ってしまったりしましたね」
興味がない授業に行けない、っていうのは具体的にはどういう感じ?
「やっぱり、興味がない内容の話を教授がボソボソ喋り続ける空間にずっと居続けるというのが耐えられなかったですね。文学部だとマニアックな話を90分ひたすら聞かされて書き写すというのが多いので辛かったです。文系は専門性が低いとか言われますけど、そもそもカリキュラム的に専門性の高めようがないとも思いますね」
なるほどね、それも大学に訴えていきたいね。
ちなみに、文学部の授業とかで楽しかったのってどういのがある?
「僕は地理学を専攻していたんですが、フィールドワークで現地に行くみたいなことが多くて、美味しいもの食べたり観光したりできたので、楽しみながら教養が深まったりして良かったですね」
座学でずっと座ってるのは辛いけど、外に出たりとかは好きだったんだね。ディスカッションとかグループワークみたいな授業はどうだった?
「僕の専攻ではそういう授業とかは少なかったですね。卒論の為に学生同士で話し合うとかはありましたけど、グループディスカッションとかはほとんどなかったです」
なるほどね。そしたらやっぱり外に出て行く授業が良かったんだね。
留年そのものは就活に不利にならない
そしたら就職活動のこととかを聞いていきたいんだけど、いつ頃から意識するようになった?
「もともと大学院に進学するか就職するかの2択は少し考えたりしてたんですが、研究を続けて地理学で食べていけるほどの素質はないな、と感じて、就職しようと決めたのは3年生の1月とかですね」
なるほどね。どういう仕事したいとかはどう考えた?
「就活する上で大前提にしていたのは、何か昔から好きだったものに関われる仕事がしたいと思いました。昔から好きだったのは建築物とか大きな構造物を眺めたり見に行くことだったので、そういう事に関連する業界に絞って選考を受けてました」
なるほど。就活する上では留年してる事とかに不安はあった?
「はい、ありましたね。友達からも脅かされてて、留年はすごいディスアドバンテージだと、嘘でもいいからもっともらしい理由をでっちあげろ、とか(笑)」
友達って、それは留年してた人?
「留年してないやつですね(笑)。なんでそいつらも知識があった訳ではなく、ただ脅かしに来てましたね。実際は留年したことが不利に働いてると感じたことはほとんどなかったですね。履歴書を見た時に1年間長いので、理由を聞かれることは多かったですが、あまり出席せずに留年しました、と正直に伝えても、あーそうですか、という感じで軽く流されることが多かったですね。それは拍子抜けでした」
不真面目だな、とかそういう感じにはならなかったんだね。
「そうですね。事例としてありふれているのか、留年そのものはあまり突っ込まれなかったです。どちらかというと、留年した後どうしたのかとか、もう一度留年しないために何か気を付けましたかとか、そういう質問をされることが多かったです」
なるほどね。そういう質問にはどう答えたの?
「留年している間にどうしたか、という事については半年間休学して働いて、働くことの予行演習じゃないですけど、社会人になる事の実感がなんとなく掴めた、ということを話しました。考え方とか、次留年しないためにどうしたかということについては、とにかく思考をポジティブにして、この経験を活かそうと考えたことと、とにかく授業に出るようにしたという事を言いました。そこは僕もあまりうまく伝えられた自信はないんですけど、そんな感じの事を言いましたね。なんとか納得してくれているようではありました」
そっかそっか。留年したってことそのものが取り上げられるんじゃなくて、その経験を経てどうしたか、って事が大事なんだね。こういう就活の話題は多くの留年生が不安に思ってる事だろうから、具体的な話として聞けるのはとてもありがたいです。
やっぱり北海道で働きたい、でも難しい
今は就職が決まっているという事だけど、就活はどういう感じで終わったの?
「幸い、志望順位の高かった企業から内定を頂けたので、その時は大成功という感じで就活を終えました。その後懇親会などで、企業のある東京に何度か行って、その企業で働くという実感が湧いてきたあたりで、今いる北海道から離れたくない、という気持ちが強くなってきました。それでもう一回北海道に残る道を探そうと、就活を再開しました。ただそれも始める時期が遅かったので、希望の条件に合うようなところがなかったので、最終的には元々内定を頂けた企業に行くことにしました」
なるほどね。それはいつ頃決めたの?
「11月とか12月ですね。時期的にもここまで来て内定を断るのもいよいよ本気で怒られるだろう、みたいなのもありました」
そうなんだね。その話もこうして聞いてみると、シライ君の段取りが下手みたいな部分が関係してそうだね(笑)
「そうなんです。下手なんですね(笑)。もともとしっかり考えておけば良かったのかもしれないです」
今はもう納得してるの?
「就活を終えるか悩んだ時期に、もう1年就職留年するかも考えたんですが、それでうまく行く保証もないですし、働いてみて合わなければ違う仕事を探すという手もあると思ったので、卒業してその企業に入ろうという事は決心しました」
なるほどね。今後の目標というか、将来的にやりたい事なんかはあるの?
「北海道で仕事をして、お金が溜まったら美瑛とか富良野とか北海道内の良さげなところでお洒落な家を建てて、ビーフシチューを出しながらのんびり暮らす、という夢はありますね。今のところそんなノウハウは何にもないんですが(笑)」
いいね!そういう生活向いてそうだね。休みの日は山に行くとか
「そうですね。どっちかというと都会よりは田舎の方に腰を据えたいなというのはありますね。何年先になるか分からないですけど」
留年は1000万だしても買うべき?
留年決まったころの自分に、今になって言える事ってある?
「いま留年した事を後悔しているかと聞かれたら、もうほとんど後悔していないので、あまり悲観的にならずに、実りのあるような1年を送ってほしい、という感じですかね。気持ちを切り替えて。ホントに早めに気持ちを切り替えろよ、と言いたいですね」
留年した時は少し引きずってしまったけど、だんだんと持ち直して、今はほとんど後悔してないんだね。留年する前の自分に、もっと頑張れよ、とか言いたい気持ちはある?
「もし今留年するかしないか選べる状況に置かれたとしても、やっぱり留年してもいいんじゃないかな、と思ってます(笑)」
そうなんだ、それはすごくいいね。
「もし留年してなかったら、今頃働いてて、北海道に4年間しかいられなかったと思うと、たぶん色んな事できなかったなと。1年延びたおかげで、色々な体験ができたのは良かったと思います。そう考えたら、将来の損失が1000万あったとしても、買っておくべきだなと思います(笑)」
そうなんだよ、俺もそれはすごく思ってて。若い時の1年間に値するものを、老後1000万あって買えるのかって話だよね。それを得られるなら留年も悪くないみたいな考え方できるよね。
「ホントにそう思います。老後はお金があっても時間がない、みたいに言いますしね。1年間を1000万で買ったと思えばいい買い物でした(笑)」
この話、すごく共感できて盛り上がってしまう(笑)。こういう考え方もあるよって、留年した人に伝わるといいね。
インタビューは以上になります!ありがとうございました!
「ありがとうございました。僕の経験が少しでも留年生に役立つと嬉しいです!」
3回にわたるシライ君のインタビュー、いかがでしたでしょうか。
初めての就活経験者ということで、留年がどのくらい就活に影響するのかというリアルな話が聞けたのは大きかったです。
個人的には、1000万でも留年を買いたいって思えてるのがすごいと思いました。それぐらい充実した1年間を過ごせれば、きっと留年を後悔することはないですよね。
私たちリビルディングラボは、留年生を応援しています。詳しくはこちらをご覧ください。